就職氷河期と情報格差


 氷河期世代の人間はPCが使えて当たり前と思っている人が意外と多いようだ。だが実際は氷河期世代でもPCを使えない人は多数存在する。何故なら今時の学生と違って氷河期世代の人間が学生をやっていた頃は、PCを使った情報教育というものがまだ普及していなかったからだ。ちょうどWindows95の発売やインターネットの普及と時期が重なるため、その頃にPCを購入して独学で覚えた人、もしくはそれ以前からPCを使っていた人はいいが、そうでない人の中にはネットでの検索のやり方すら知らないまま就職活動に臨んだ人も多い。氷河期世代の再就職が難しいと言われているのは単に年齢だけではなく、こうしたデジタルディバイドの問題も大きいのではないかと思う。情報格差というのは何も高齢者だけの問題ではないのだ。
 氷河期世代の人間で就職活動をしている知り合いがいるのだが(PCスキルなし)、やはりPCを使えないというのは相当厳しいようで、卒業してから職を転々として今は介護士を目指しているらしい。そういう意味では、オタクと呼ばれる人達はゲームやアニメだけでなく高いPCスキルを持った人が多いので、PCを全く使えないという人と比べればまだ再就職のチャンスがあるのではないかと思う。もっとも、引きこもってネトゲばかりやっているようなニートは論外だが。