脱オタは難しい


 脱オタする上でオシャレ(ファッション)に気を使うのは大事な事だと思う。だから知り合いを脱オタさせる際には、まず中身ではなく外見から変えさせるようにしている。※ここでの脱オタとは脱オタク趣味ではなく、脱オタクファッションの事を指す。
 とりあえず一通りの服を買い揃えて美容院で髪を切ってもらう。そこで、「今まで自分はこんなダサい格好をしていたのか!」と目覚めてくれればその時点でほぼ脱オタ成功となる。脱オタできるかどうかの境界は、自分がキモオタだと自覚できるかどうかにかかっている。
 キモオタであると自覚していない人間にいくら服を買わせても、本人は「新しい服が一着増えた」程度にしか思わない。これではいつまで経っても脱オタなんてできる訳がない。
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 ファッション大好きな人達がどうして数万円の服やブランド物のアクセサリーで着飾るかと言えば、他人から見られた際の印象を良くしたいからだ*1。「他人が自分を見てどう思うか」というのは考えすぎるとただの自意識過剰になるが、ボサボサの頭にヨレヨレのシャツで出歩くよりは、外出する時くらいきちんとした格好をした方が周りからの印象は良くなる。そんなのは誰だってわかる。だから人はお洒落しようとするのだ。
 だがオタク*2は別で、自分がどんな格好をして他人にどう思われようとまるで気にしない。そもそも他人に少しでも自分を良く見せようという意識が欠けているため、ボサボサの頭でもヨレヨレのシャツでも問題ないと考えてしまうのだ。このレベルのオタクを脱オタさせるのはそう簡単な事ではない。
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 例を挙げると、せっかく一緒に服を買いに行ったのに後日会ってみたらまだヨレヨレのシャツだった。こんなのは日常茶飯事だ。「先日買った服はどうしたのか?」と聞くとまだバッグの中だと言う。これでは一体何のために服を買いに行ったのかわからない。何故こんな事が起こるかと言えば、本人が今着ている服をダサいとは思っていないからだ。
 こんな事を何度も繰り返した結果、このレベルのオタクに対しては直球で「お前の格好はありえない」と言ってあげたほうがいいと言う結論に達した。その方が遠回しに言うよりずっと効果がある。恐らく相手は「そんな事言われてもあんな高い服何着も買えるわけないじゃないか!」などと反論してくるだろう。だが前回書いたように、ファッションは値段だけで決まる訳ではない。探せば安くていいものなんて腐るほどある。重要なのは自分がキモオタであると自覚する事と、それを改善しようと努力する事なのだ。


*1 単純に服を集めるのが好きな服オタクも存在する。
*2 全てのオタクがそうだという訳ではない。