ネットゲーム廃人について


 NHKにようこそ(3)が露骨にFFXIの廃人ネタを扱っていてちょっと面白かった。そんな訳で今日はネットゲーム廃人について。
 身近に何人かネットゲーム廃人がいるのですが、その誰もが自分の事を廃人だとは思っていないという点で一致しています。毎日3-4時間ログインするだけだから自分は廃人じゃないと言ってるのですが、実際はどうでしょうか。
 確かに、生活がネットゲームを中心に回っていて、暇な時間は常にネットゲームにログインしているような廃人も中にはいます。しかし、そういった重度の廃人だけが廃人ではないのです。
 ネットゲームをゲームとして気楽に楽しんでいる人からすれば、何かに憑かれたかのように毎日毎日仕事から帰ったらネットゲーム、学校から帰ったらネットゲームとネットゲームが日課になってしまっている時点で、その人はもう廃人なのです。
 何故そこまでしてログインしようとするのか。その理由として、一緒に冒険する仲間がいるからだというのは前回書きました。韓国産のLv制MMOはパワーレベリング防止のため、同じレベル帯のプレイヤー同士でしかパーティーが組めない仕様になっているものが多く、自分に廃プレイをするつもりがなくても、仲間がどんどんレベルを上げてしまうので「一緒に冒険がしたいから」「仲間外れにされたくないから」という理由で毎日のようにログインしてしまい、結果として廃人になってしまうのです。
 廃人の多くは現実よりもネットゲームの中での人間関係を重要視しています。そして、現実世界での人間関係が非常に希薄なのが特徴です。友人から一緒に遊ぼうという誘いを受けても、日課であるネットゲームの狩りと時間が重なれば、当然のようにネットゲームの方を優先する、それが廃人です。
 そんな事が続けば、そのうち「あいつは誘っても来ないから誘うの止めよう」となるのは簡単に想像できますが、廃人はそれでも構わないと考えているようです。個人的にはこのネットゲームと現実とでネットゲームの方を優先するのが、ネットゲーム廃人とそうでない人を分ける目安の一つだと思っています。
 では何故現実ではなくネットゲームで仲間(友達)を作ろうとするのか。何故現実を蔑ろにしてまでネットゲームをやろうとするのか。それは、ネットゲームで現実逃避をしているからだと考えます。
 ネットゲームの中の仲間から信頼される自分と、いい年してフリーターでパラサイトで彼女無しの自分(例えばの話)。現実の自分とネットゲームの自分はあまりにも違います。しかし、それを知っていながら廃人は現実の自分に目を背けてネットゲームに没頭します。「ゲームが楽しければそれでいい」と自分を見つめようとしません。
 ネットゲームの中での「仲間から信頼される強い自分」が無くなってしまえば、後に残るのはフリーターでパラサイトで彼女無しのどうしようもない自分だけです。そうなってしまったら、何を頼りに生きていけばいいのかわからない。つまり廃人にとってネットゲームは単に暇潰しの遊びではなく、現実の自分に目を背けて逃げ込む場所となっているのです。
 また、廃人の多くは、現実の自分を変えようとする努力を全くしません。友人に「おまえちゃんとした格好すればモテそうなのにな」などと言われても、「別にいいよそんなの」とアドバイスを全く聞こうとしません。それどころか、周囲の人間を巻き込んでレベル上げを手伝わせたり、友人を同じギルドに誘って廃人の仲間入りをさせようとしたりします。酷い言い方をすれば、これは宗教やマルチ商法とやっている事は変わりません。
 廃人にならないためには、最初からネットゲームに手を出さないというのが一番なのですが、ここではあえて、どうすれば廃人にならずにネットゲームを続ける事ができるのかを考えてみます。
 結論から言うと、最も重要なのは「友達は選べ」という事です。前述のように、廃人になるつもりがなくても、一緒にプレイする仲間が廃人だった場合、そのギルドを抜けるか廃人になって一緒に冒険を続けるかの2択になってしまいます。つまり、廃人になりたくなければ"廃人と友達にはなるな"というのが絶対条件なのです。
 廃人かどうかを見分ける方法としては、それとなく相手に何をしている人なのか聞いてみるのが良いでしょう。個人的には「無職」>「主婦」>「フリーター」>「学生」の順で危険と見ています。
 平日の昼間からログインしているようなのは間違いなく無職が主婦の可能性が高いです。つまり、無職の廃人とお友達になりたければ平日の昼間にログインしろという事になりますね。(笑
 無職のネットゲーム廃人なんてのはそれこそ一日中ログインしていますから、見分けるのは簡単だと思います。自分がログインするといつも入っている、なんて場合は要注意です。
 次に主婦(この主婦とは専業主婦を指します)、ネットゲームと主婦というのはあまり関係が無いように思えるかもしれませんが、それは大間違いです。現にROやFFXI,リネージュなどの有名なMMOにはかなりの数の主婦がいます。
 また、女性であることは明かしても主婦である事を隠している場合も多く、ネットゲームで女性と知り合うなどという甘い幻想に囚われたネットゲームオタクが、主婦とは知らずに知り合いになって、そのまま廃人に引き込まれてしまうというケースも存在します。
 ネットゲーム廃人の主婦というのは下手に時間があるだけにかなりの時間をネットゲームに費やしており、半端な学生よりもレベルが高い傾向にあります。よって、普通にプレイしていたのではレベルが追いつかなくなってしまいます。それを知らずに主婦のいるギルドに入ってしまうと、毎日ログインするのは当然というような廃人プレイを要求される事になってしまいます。
 その点、学生や社会人は無職や主婦に比べれば廃人の割合は少ないので安心できます。一緒にゲームを楽しむ仲間が欲しければ、学生や社会人を探すのが良いでしょう。20歳以上限定のギルメン募集(社会人ギルドメンバー募集)なんてのも稀に見かけるのでチェックしてみるのも良いと思います。

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では、廃人になってしまったらどうすればいいのか。

 廃人を止めるのは容易な事ではありません。廃人にとってネットゲームは趣味ではなく"生きがい"ですからそれを止めるのは生半可な事ではないでしょう。
 前に某掲示板で「俺は死ぬまでネットゲームをやって暮らしていくんだ」と言っている人がいました。韓国では実際にネットゲームのやりすぎで死んだ人もいましたね。
 もし本当に「俺は死ぬまでネットゲームをやって暮らしていくんだ!」と思っているのであれば、もう何も言う事はありません。「ああそうかい、好きにしろよ!」で終わりです。しかし、「今が楽しければいい」という刹那的な感情でネットゲームを続けている人は、一刻も早くネットゲーム廃人を止めるべきです。
 ネットゲーム廃人というのは、年齢が上がれば上がるほどその後の修正ができなくなります。主婦や学生であれば多少ネットゲームにハマってもどうという事はありません(ネットゲームが理由で離婚したとか、ネットゲームのせいで受験に失敗したなんてのは論外ですが)。しかし、20代〜30代のネットゲーム廃人というのは、"これ以上廃人を続けたら後戻りできない"危険な状態にいるという事をしっかりと認識しなければなりません。冗談ではなく本気でネットゲームで人生を棒にふる事になります。
 最近はネットゲームの中で彼女ができたとか、結婚したなんて話も聞きますが、ネットゲームの中でいくら友達がいても、彼女がいてもそれは所詮"空想上の仲良し集団"でしかありません。
 廃人に色恋ネタを振ると大抵は「いいよ、どうせ俺なんてただのキモオタだから現実で彼女なんてできっこないさ」と言いますが、ならあなたはネットゲームの中で名前も知らない女性と話し、毎日狩りをするだけで満足なのか?と言いたい。
 ネットゲームで知り合って、実際にオフで会って付き合うことになったなんてのは幻想です。ネットゲームの自分にいくら魅力があっても、実際の自分に魅力がなければ意味はありません。ギルドのオフ会に出席してもドン引きされるのがオチです。ネットゲームであれだけ仲が良いんだから、実際に会ってもきっと上手くいくなんて思わない方がいいでしょう。

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廃人を止めるために、どうすればいいのか。

 時間を決めてやる分にはネットゲームも決して悪いものではありません。ゲームは一日n時間と時間を決めてプレイするようにする。いきなりネットゲームを止めようとするのは無理ですから、徐々にプレイ時間を減らしていけばいいのです。煙草やギャンブルと同じですね。
 もしそれで仲間にレベルが付いていけないようなら、その仲間とは別れて自分のペースで一緒に遊んでくれる仲間を探すべきです。無職や主婦はいくらでも時間がありますから、社会人や学生が一緒に遊ぼうというのはそもそも無理なのです。一緒になって廃人になるより、まったり遊べる仲間を探した方がいいでしょう。

友達選びは慎重に。これは現実でもネットゲームでも同じ事なのです。
 
続く…かもしれない。