隠れオタクとSNS


 最近マスコミでも秋葉原A-BOYといったオタク関連の特集をよく見かけるが、世間では未だオタクに対する偏見が強く、漫画やアニメ、ゲームといった趣味を持っていてもそれを隠しているという人は非常に多い。
 そういった隠れオタクSNSを始める場合、オタク趣味を公開すべきか隠すべきかは非常に難しい問題である。もし職場や学校で自分がオタクであるという事が既に周知の事実であるなら「趣味:アニメ」と書いても特に問題はないだろう。
 しかしSNSと言うのはオタクだけで構成されたコミュニティではなく、それこそニートから政治家まで様々な人が参加している。これは隠れオタクにとっては非常に都合が悪い。(FilnOtabaといったオタク限定のSNSも存在するがここでは割愛)

 現在SNSを利用している人にも大きく2つのパターンがある。ネットはネット、リアルはリアルできっちり境界を作っている人と、SNSをリアル(現実世界)の延長と考えている人である。
 隠れオタクにとってネットとは、現実世界を離れて好きなだけ趣味について語れる大切な場である。しかしSNSはそうはいかない。SNSで趣味について語るには現実世界と同等の配慮が必要になる。
 もし「昨日見たアニメが〜」なんて日記をSNSに書いて、それを自分をオタクだとは思っていない友人に見られたりしたら、次の日にはあだ名が「アニメおたく」になっていたなんて事が絶対にないとは言えない。
 だが、SNSとは共通の趣味嗜好を持つ人間同士でコミュニティを形成して「馴れ合う」為に存在するもの。自分の趣味を隠しながら楽しむなんてのはまず不可能と言っていいだろう。
 それでもSNSをやりたいのであれば、周囲の人間に自分はオタクであるとカミングアウトする覚悟でやるか、オタク用と一般用で複数のアカウントを使い分ける(規約で禁止されている所も多いが)しか方法はない。隠れオタクというのもいろいろ大変なのだ。
 
 余談だが「何でオタクである事を隠すの?」などと聞いてくる人も稀にいる。以前801趣味のいわゆる腐女子と呼ばれる人が「彼氏は801好きである事を知らない」「知られたら絶対に嫌われるから」と言っているのを見たが、オタクである事を隠す理由はまさにこの「嫌われたくないから」の一言に尽きる。
 逆に言えば、オタクなのに超絶イケメンの某げんしけんのコーサカ君のような人間であれば、オタクである事をあえて隠す必要は全くない。要はオタクであるというマイナス要素を打ち消せるほどのプラス要素を本人が持っていればいいのである。まあそんな人は滅多にいないのが現実だが。