RAGNAROK ONLINE 2 雑感

βテストも終了したので軽く感想など。

 評判を聞くとMoEの劣化コピーなどと言われているようですが、実際は似ているようでかなり違います。重要なのはスキルの制限です。UOやMoEなどのスキル制のMMORPGでは、スキル・ステータス共に上限が設定されており、回復魔法も攻撃魔法も使えて、剣も弓も使える最強キャラを育てる事はできません。
 その代わりに取得できる上限までスキルを上げた後は、選択したスキルを故意に下げる事で他のスキルを上げられるようになっています。つまり、魔法使いに飽きたので魔法スキルを下げ、その代わりに剣や斧といったスキルを上げる事で別キャラを育てなくてもスキル構成を自由に変更する事ができるのです。UOではスキルシーソーなどと呼ばれていますね。
 ではRO2の場合はどうかと言うと、驚いた事にスキル上限がそもそも設定されていません。つまり、魔法使いに飽きたらそのまま剣士に転職すれば、覚えた魔法スキルを全て保持したまま剣士のスキルを上げる事ができるのです。上記UOやMoEでは一つのスキルをマスターまで上げるのにはそれなりの時間が必要となるため、一度マスターまで上げたスキルを下げて他のスキルを覚えるのは、可能であるとは言えかなり勇気のいる事でした。しかしRO2の場合、金さえ払えば「今日は剣士」「明日は魔法使い」のように簡単に職業を変える事ができ、それに伴うリスクが大きなリスクが存在しないのです。
 よくよく考えるとこれは恐ろしい事です。量産型MMOにクリアは無いというのは定説ですが、前作ROでは一応上位二次職をLv99まで上げるというのがキャラク成長の限界であり、それ以上はレアアイテムなどに頼らなければキャラクタの性能を上げる事はできませんでした。しかし、RO2の場合はそもそも最初に就いた職業に縛られる事がないため、一つの職業のスキルをコンプリートしたら次の職業へ、その職業をマスターしたらまた次の職業へ、と次々に職業を変える事でキャラクタを強化する事ができ、キャラク成長の限界は全ジョブのスキルをコンプリートするまで終わる事はありません。
 このシステムは、MoEと言うよりむしろFF5(オフラインRPG)に似ています。FF5では一度覚えたアビリティは忘れる事がなく、転職する事で次々と新しいアビリティを覚える事ができます。最終的に全てのジョブのアビリティをマスターすれば、回復から攻撃まで何でもできるキャラクタが出来上がります。RO2も同じように一度覚えたスキルは忘れる事がなく、転職する度に新しいスキルを覚える事ができる。つまり最終的にはどのキャラクタも同一の性能を持った、何でもできる超人になるのです。これでは個性の欠片もありませんね。もっともそこまでの域に達するのにどれほどの時間が必要なのか想像もできませんが。
 これらの仕様から見るに、RO2はRO以上の廃人育成MMOであると言っていいと思います。下手に手を出すと全てのジョブ・スキルをマスターするまで止められなくなり、気付くと毎日毎日つまらないクエストをこなしながらクリッククリックし続ける廃人になっていると。怖いですね。

システム面の考察は明日。


追記:

よく考えるとマビノギにも似ているような気がする。あれも同じく転生を繰り返す事でスキルマスターを目指す事が可能で、かつ武器の成長システム(精霊武器)もありますからね。ただしゲームの完成度で言えばマビノギの方が遥かに上ですが。